80年前の夏、児童ら127人が犠牲となった大分県津久見市・保戸島空襲。その悲劇を後世に伝えようと、地元の子どもたちが舞台に臨みました。
21日夜、大分市で上演された舞台は、戦争によって子どもや若い女性が犠牲になった実話を元にした3つの作品で構成されています。

そのうちの1つに出演したのが、津久見市の「樫の実少年少女合唱団」です。作品のテーマは、80年前の保戸島空襲です。
1945年7月25日、保戸島にあった国民学校で授業中の児童ら127人が空襲によって命を落としました。今回の舞台には、小学生から高校生までの38人が参加。身近な島でおきた悲劇について改めて学び直し、当時の子どもたちの心情を歌と演技で表現しました。

(樫の実少年少女合唱団・中学1年戸田萌梨さん)「表情でメリハリをつけるところを頑張りたい」
(高校2年松下茉鈴さん)「亡くなった127人の魂になって表現していきたい」
物語では、保戸島出身の男性が戦時中にタイムスリップし、妹や同級生との穏やかなひとときが空襲によって引き裂かれてしまう様子が描かれます。

戦争によって突然命を奪われた同世代の子どもたちに思いを馳せながら、ステージで表現するメンバーの姿に観衆も引き込まれていきます。

劇中では、保戸島小学校の卒業生が作詞した追悼の歌も披露され、平和の尊さを訴えました。
(観客)「そういうことがあったのを初めて知りました」「保戸島出身なので感慨深いステージでした」
(樫の実少年少女合唱団)「全力でお客さんに伝えることを意識しながら出来た。いい舞台だったと思います」「平和の重さを改めて考え直すことが出来たし、いろいろな人に伝えていきたい」
あの夏から80年。空襲の体験者が少なくなる中、子どもたちが新たな語り部となり、平和への願いを伝え続けていきます。



















