大分県国東市に暮らすアーティスト・古城貴博さん(30)は、重度の知的障害と自閉症があります。日々の中で心を落ち着かせるために始めた塗り絵が、やがて彼の“ことば”となり、アートとして開花。その表現力が今、世界に認められました。
世界2650点の作品から受賞
水性ペンを細かく動かして作られる鮮やかな色合いの幾何学模様。古城さんは、言葉でコミュニケーションをとることが苦手ですが、絵を描くことで自分を表現し、数々のコンテストで表彰されています。

母・美和さん:
「絵を描くことによって、日常の中にメリハリができています。ちょっと心を落ち着ける大切な時間になっています」
2021年に制作した抽象画『はばたく』。明るい暖色系の色合いで、前向きなエネルギーを感じさせます。
この作品は、障害のある作家を対象にした国際アート展「ヘラルボニー・アート・プライズ2025」で、65の国と地域の2650点の応募の中からグランプリに次ぐ企業賞の一つ「トヨタ自動車賞」に選ばれました。大分県内では初めての受賞です。

古城さんの作品は、トヨタ自動車が主催するラリーカーのデザインとして起用される予定です。
母・美和さん:
「いろんな方から『これはものすごく狭き門だよ』と言われてたので、選んでもらってもう夢のような思いでした」