災害関連死を防ぐため、大分県由布市では福祉施設と薬局、そして災害ボランティアバイク隊が医薬品の代替輸送に関する協定を結びました。孤立集落の薬不足を解決する「先進的な防災」を取材しました。
由布市庄内町の畑田地区。山には水路が通っていて、大雨などで増水すれば集落に土石流が押し寄せるリスクがあります。

畑田地区自治委員 田代浩樹さん:
「川沿いよりも山沿いに家があるところが多く、道路も狭いし、少しの土砂崩れで通行止めになったりします」
2017年の九州北部豪雨でも課題となったのが集落の孤立化。土砂崩れなどで道路は寸断され、長期間、住民の移動や物資の供給が制限されました。
災害時の孤立化で深刻な影響を受けるのが高齢者施設です。由布市庄内町にある養護老人ホーム「寿楽苑」では、入所者およそ70人のうち、ほとんどが心不全や糖尿病、高血圧などの薬を毎日服用しなれけばなりません。

寿楽苑 小野精治事務長:
「すべてみなさんの薬が保管されています。朝昼晩薬がいらない人はほぼいない状態ですね。災害などで薬が定期的に届かなければ、命にかかわってしまう場合があるのが現状です」