ひっ迫する医療機関の負担軽減のため、大分県が始めた抗原検査キットの無料配布から1週間。医療関係者からは「効果はあるが知られていない」と指摘する一方で、夏休みが明け再拡大を懸念する声もあがっています。

大分市の「すみ循環器内科クリニック」では、お盆明けから発熱外来の患者が急増し、21日には通常のおよそ9倍にあたる70人が受診。ひっ迫に近い状況だったと振り返ります。

(すみ循環器内科クリニック・隅廣邦院長)「発熱外来の電話が本当にずっと鳴っているという感じだった。昼休みも取れなかった。疲れ切ります」

こうした医療機関の負担軽減を図るため、県は24日から希望者に対し抗原検査キットの無料配布を始めています。対象は、発熱などの症状がある12歳以上40歳未満で、重症化リスクが低い人です。30日までの1週間で合計1141人に提供。このうち68人が陽性だったということです。

(県福祉保健部・藤内修二理事)「診療検査医療機関の受診をせずに済んだという意味では負担を少しでも軽減できたとみている」

検査キットは隅院長のクリニックを含む県内101か所の医療機関でも配布しています。隅院長は「無料提供は効果がある」として国などによりスピード感のある対応を求めています。

(すみ循環器内科クリニック・隅廣邦院長)「今週から検査キットの配布を始めたがみんな知らない。できればもう少し早く始めてほしかった。(夏休みが終わり)学童から大人へ広がるのか、落ちかけた波がどうなるのか、このまま収束してほしい」

県は1日に500個の検査キットを配送できる態勢を整えています。申し込みは県のホームページにある専用フォームからでき、2日程度で自宅に郵送されるということです。