旅館からビジネスホテルとして成長も…
ホテルアーサーは1913年、「さぬきや旅館」として別府で営業を始めました。日名子健太郎社長は4代目。1995年、後継ぎとして別の就職先からホテルに戻ってきました。「さぬきや旅館」がビジネスホテルとして成長し、ヨーロッパ調の洋館をテーマとした「ホテルアーサー」にちょうど衣替えをした時期でした。

日名子社長:
「当時はバブルが弾けていましたけど、別府はそんなに景気は悪くなかったですね。うちも開業したばっかりの新築のホテルということで、毎日が嫌になるぐらいお客さんが多かったですね」
しかし、その後、別府市に県外資本の新たなホテルや旅館が次々と進出してきます。2003年、近隣に福岡のビジネスホテルが進出すると、競争が激化します。

対策として、ホテルアーサーも約3000万円を投じて内装をリニューアルし、ヨーロッパ調のテイストに強化しましたが、大きな効果が出ませんでした。その後、2008年のリーマンショックで予約が激減。金融機関からの借入金は膨らみ、コロナに入る前の時点では、元本据え置きで金利だけ支払うという状況に陥っていました。そして新型コロナウイルスの感染拡大が始まります。
日名子社長:
「顧客がいなくても、従業員を抱えている以上、支払い続けなければいけません。社会保険料の滞納だとか、そんなものが重なってきて…」