避妊去勢、猫にとって幸せは…

翌日、1台の車が到着しました。この車はワゴン車を改造した移動式の手術室で、猫の不妊去勢手術を専門に行う動物病院「にじのはしスペイクリニック」が全国各地に配備しています。

にじのはしスペイクリニック福岡分院 段上大輔代表:
「人と同じようなやり方で全身麻酔をかけて毛刈りと消毒を行います」

手術は獣医が担当し、オスは5分、メスは20分ほどで完了します。猫は交尾後に排卵し、高確率でみごもるため、繁殖しないよう手術が必要です。

段上大輔代表:
「避妊や去勢をするのが猫にとって幸せかというのは我々が答えを出すことはできないが、過酷な環境で産まれなければいけない命を増やすよりは、今いる猫たちを幸せにできるようにしたい」

今回の取り組みは、地域の猫にするため、住人が出し合って手術費を負担しました。

小関由香里代表:
「お金を出すと責任も出てくる。私たちが立て替えるのではなくて、地域のご理解をもらい、やらせてもらっている」

手術から一夜明け、地域猫になった子たちを元の場所へ。地域猫活動は去勢や避妊だけでなく、地域住民による定時のエサやりやトイレの設置までの管理が欠かせません。

小関由香里代表

小関由香里代表:
「周辺の方にも理解してもらって避妊しているので、これ以上は増えないから管理してもらって、嫌いな人もいると思うが、理解してもらって共生していくような地区になってほしい」

人と猫が共存できる地域を目指すTNR活動。住人の思いやりや理解が広がることが不幸な猫を減らしていくことにつながります。