病気などで髪に悩みを抱える人を助けようと、ヘアドネーションに取り組んだ大分県津久見市の空手少年が、4年半伸ばした髪を切りました。

名残惜しそうに切られた髪を触る山崎瑛介くん(12)。およそ4年半にわたって伸ばしてきた髪とお別れです。幼稚園の頃から始めた空手の稽古に、真剣な表情で打ち込む瑛介くんの髪は、腰までかかる長さですが、それにはある思いがー

山崎瑛介くん

(山崎瑛介くん)「髪のない人にかつらを作るために伸ばしました」

伸ばした髪を寄付して作られたウィッグを、病気や事故などで、髪の毛を失った子どもたちに対して提供するヘアドネーション。3つ年上の姉が髪を寄付している姿を見た瑛介くんは、自分も困っている人を助けたいと、小学2年生のころからヘアドネーションに取り組み始めました。

(山崎瑛介くん)「同級生には、最初はびっくりされたけど、すぐに受け入れてくれてうれしかった」

毎日長い髪を結んだりと、大変なこともありましたが、家族や同級生に支えられながら、およそ4年半にわたって髪を伸ばしてきました。

(姉の山崎安珠さん)「ヘアドネーションでは、髪を切ることが人の役に立つので、誇らしい気持ちになってほしい」

(父親の山崎要介さん)「やはり男の子っていうところで、少し心配はありました。小さなことの積み重ねで、人の役に立てるような大人になってほしい」

中学校への入学を機に2日、ついに髪をカットして寄付することにしました。緊張した面持ちで美容室に入った瑛介くん。

(山崎瑛介くん)「久しぶりに髪を切るので、ワクワク、ドキドキしています」

大切に伸ばしてきた髪の毛をいくつかの束に分けながら、瑛介くん自身もはさみを持ってカットしていきます。60センチ以上の長さを切り終えて、久しぶりの短い髪になりました。

(山崎瑛介くん)「短くなって良かったと思うけど、少し寂しい。より多くの人に髪のことで困っている人が、まだいっぱいいることを知ってほしい」

瑛介くんの4年半の思いがつまった髪は、新しいウィッグとなって困っている人を支えます。