3月に開幕するセンバツ高校野球に向け、3年ぶりに出場する明豊(大分)が順調に調整を進めています。一方でこの大会から高校野球を変えるとも言われる新基準のバットが導入され、チームは対応に追われています。
本当に飛ばない?実践練習を取材すると…
明豊・川崎絢平監督:
「九州大会で優勝できなかったので、すべてをスケールアップするということで冬は取り組んできました。バットの基準が変わることで意識することが変わってくるので、そこをどうやって対処するか探っている」
今月、高校野球特別規則の変更が発表され、ピッチャーが投球する際の『2段モーション』が解禁されました。また試合時間の短縮に向け、野手が1人でマウンドに行く回数について、1イニングにつき1回までとなります。

さらに今回のセンバツから新基準のバットが導入されます。太さが3ミリ細くなり、打球面が1ミリ肉厚に。重量はこれまで通り900グラム以上ですが、反発性能が抑えられ、飛距離が出にくい構造となっています。
新基準のバットについて選手や指導者は“飛ばない”と口をそろえます。バッターのパワーアップが進む中、打球の速度を落として、けがの危険性を減らし、ピッチャーの負担を減らすことが狙いです。
3月開幕のセンバツに向け、調整を進める明豊はこの日、紅白戦を実施しました。打者が使用するのは“飛ばないバット”で、筆者はバックネット裏から取材しました。
するとセンター方向にジャストミートした打球が外野を襲い、「これは越えるな」と思いましたが、なんとセンターが定位置で楽々とキャッチしました。また当たりそこない、詰まったバッティングのシーンが多くみられ、予想以上にびっくりしました。

打った木村留偉選手:
「自分は外野を越えると思ったんですけど、全然飛ばないという印象です。結構ジャストミートしたんですけど、自分にパワーがないのか分からないんですけど、ちょっと飛ばなかったです」
”飛ばないバット”になり、特に逆方向への打撃では、外野手の頭上を越えるケースは減ると予想され、守備の際、特に外野手は前進する意識を高めています。