被爆80年に向け進められている長崎原爆資料館の展示リニューアルについて、専門家による小委員会が、19日、全4回の会合を終了し、被害の一面だけでなく日本が犯した戦争加害など多角的視点を持つ展示とするなどの方向性を確認しました。

原爆資料館の展示リニューアルは、長崎市が被爆80年に向け進めています。

2023年7月からは、核兵器を巡る国際情勢や、若い世代に向けた展示のあり方など、特に調査・検証が必要な論点について、専門家による小委員会で意見が交わされ、19日の最終会合で方向性が取りまとめられました。

市民団体から展示の必要性が申し入れられている日本の「加害の歴史」については『被害と加害両方の側面があるため、多角的視点から考えられるよう客観的事実に基づいた展示とする』とされました。

長崎大学核兵器廃絶研究センター 中村 桂子 准教授:「歴史をきちんと見つめることが未来につながるのだというその姿勢を、言葉でも、展示の大きな方向性でもしっかり明記し、それに基づいて考えていく」

会合では展示のゾーニング案も示され、今後、本体の審議会で、具体的な展示内容と共に検討されることになっており、長崎市は、2023年度中に基本計画を取りまとめる方針です。