札幌市の下半身不随の女性が、車いすで九州一周に挑戦していて10日から長崎県内を移動しています。
過酷な道のりの中で女性が感じたこととは?

長崎県雲仙市小浜町。
黄色い長そでのシャツに白い帽子。
車いすの上で巨大なバックパックを背負い「行きますか」と声を出します。

長崎を訪れている北海道札幌市の中 環さんです。

中さんは9月20日、福岡県から九州一周1300キロを車いすで踏破する目標に挑んでいて、11日は雲仙市からスタートしました。

中 環さん:
「言い訳しないで、お金がないとか、年齢とか、女とか、子供とか、そういうのを言い訳しないで。なんかやってみようと思って。
よし!見てみようと…他の都道府県を。自分が後悔したくないから」

中さんは、2009年、37歳の時に交通事故に遭い下半身不随となりました。
事故後は1年間、自宅に引きこもる生活を過ごしていました。

しかし、2人のこどもを持つ親として立ち直ることを決意。

そして、おととし、あきらめていた夢に向かって一歩踏み出しました。

車いすでの日本一周です。これまで、沖縄と四国一周を達成しました。

中 環さん:
「せっかく長崎に来たんだったら、これは食べなさいというやつなんかない?」

地元の人:「ちゃんぽんやろうね。ちゃんぽん。か、皿うどん」

中さん「サラダうどん?」
地元の人「皿うどん。皿と書いてうどん。頑張って」

たまたま出会った人との何気ない会話が、中さんだけでなく、触れ合った相手にも元気を与えています。

中 環さん:「海、大好き」

11日は雲仙市から長崎市まで進むことが出来た中さん。

今回のチャレンジで様々な出会いを重ねるうち、気持ちに変化が出てきたと話します。

中 環さん:
「なんか一生懸命走って、それで、ゴールすれば…した方が良いかもしれないけど、会う人、会う人、出会う人、出会う人と、そのとき、そのとき。
一瞬、一瞬の、なにか大事なことがすごくあって。
そっちの方が大事に思えてきた。すごい、嬉しい。本当嬉しい」

九州一周達成まで残りはおよそ370キロ。
これまでの、そして、これからの新たな出会いが中さんの挑戦を支えます。