長崎市で朝鮮人被爆者の実態調査に取り組んだ牧師で、その遺志を受け継ぐ平和資料館も建てられている故・岡正治氏から生前「性暴力を受けた」と訴えている女性に対し、資料館の運営法人が謝罪した上で館の名称などを変更するため10日から一時休館しています。

岡正治氏は長崎市議会議員を3期務めた牧師で、1960年代に日本の戦争加害責任問題──特に当時実態が分かっていなかった「朝鮮人被爆者」の掘り起こしに取り組み、1994年に亡くなった翌年には、その遺志を受け継ぐ「岡まさはる記念長崎平和資料館」が活動を共にしていた市民の手で建てられ、今も運営されています。

資料館を運営するNPO法人によりますと、2020年に元女性記者がインターネット上で、岡氏からおよそ30年前に受けた性加害について告発。

既に岡氏が亡くなり事実関係の確認はとれないものの、資料館は「女性の訴えを受け止める」として先月、対応の遅れを含め文書で謝罪したということです。

運営法人では近く会見を開くと共に、10日から資料館を一時休館しており、資料館の名称変更や展示内容の見直しを行った上で資料館を再開させたいとしています。