長崎の被爆体験者問題を受けて行われている追悼平和祈念館の被爆体験記、いわゆる“黒本”の調査で、1日から記述内容を読み込む作業が始まりました。

調査は、被爆地域外で「黒い雨や灰が降った」など内部被ばくの裏付けとなる記述を見つけるのが目的で、厚労省が、県や長崎市からの要望を受け、ことし7月から追悼祈念館に委託して行っています。

調査ではおよそ12万件の被爆体験記から「8月9日当日に被爆地域以外にいた」ことがわかる3,744件に絞り込み、1日からは『雨』と『飛散物』に関する記述を抽出する読み込み作業が始まりました。

国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館 林尚之 副館長:
「飛散物も灰だけではないですし、雨も、仮に『悪天候』という言葉であれば、それに該当する可能性もありますので、そういうのを見過ごさないように、(職員には)正確、確実にやっていただきたいと思います」

調査は、祈念館の職員が通常業務の合間に行っていて、一年程度かかる見込みです。