連日続く暑さで、海にも異変が起きています。
長崎市の網場湾で赤潮が発生し ブランド魚が全滅。
被害総額は数10億円にのぼる恐れがあることが分かりました。

白壁 史朗記者:
「長崎市の網場湾です。この暑さで海水温も高い状態となっています。今、28℃を超えています」

水中に設置した水温計は、表層部分で28.5℃を示していました。

祖父の代からおよそ50年養殖業を営んでいる長野 陽司さんのいけすに異変が現れたのは8月上旬でした。
いけすで養殖していた長崎市のブランド魚“ゆうこうシマアジ”が死に始めました。

(株)昌陽水産 長野 陽司 代表取締役:
「もういないです。一匹もいないです。全滅です」

“ゆうこうシマアジ”は、出荷3週間前から長崎特産の『ゆうこう』を餌に加えたシマアジで、臭みがなくなり、ほのかな甘みを持つことが特徴です。

長野さんの会社だけで、生産していましたが、連日の暑さなどで先月末から赤潮が発生。
出荷までおよそ2年かかるシマアジ8万尾が全滅してしまいました。
(株)昌陽水産 長野 陽司 代表取締役:
「魚が死んでいくときは、もう、めっちゃ暴れていましたもんね。だから苦しかったんでしょうね、魚も」
“ゆうこうシマアジ”が全滅したことによる長野さんの会社の被害額は、およそ2億5千万円にのぼるといいます。

㈱昌陽水産 長野 陽司 代表取締役:
「ちょっとショックを通り越して、どうすれば良いのかと思いましたよね。やっぱり、悩みはしたんですけど、くよくよ出来ないし、お客さんが待っている以上は、もう一回頑張って、一からやり直そうと思いますよね」

網場湾では、7つの業者がトラフグなども養殖していますが、赤潮によりこれらも壊滅的な状況で、被害総額は数十億円にのぼる恐れもあるということです。
これまでにない甚大な被害をもたらしている赤潮。
業者は行政の早急な支援を求めています。