長崎市の湊公園で作られていたのは、長さおよそ9.4mの大きな精霊船。
つりがね堂薬局の前社長・福島 聡さん(享年 66)を送る船です。


長崎・新地中華街にある、ことしで創業113年の老舗薬局。
聡さんはその3代目として、地域住民の健康をサポートしてきました。

娘・可菜実さん:
「もう、私は全然怒られた記憶もないくらい、優しいお父さんだったんで。
私も2年前に東京から戻ってきたばっかりで、最期『戻ってきてくれて嬉しい』って言ってくれたので、良かったと思います」

薬局のシンボル“釣り鐘”を、船に再現しました。

娘・可菜実さん:
「待ち合わせの目印とかにされている方もいるので、この釣り鐘は大事にしたい」

また、長崎ランタンフェスティバルの前身 “春節祭”に、第1回から携わった聡さん。
船には、ランタンフェスティバルと同じく 台湾で制作したオリジナルのランタンを飾りました。

娘・可菜実さん:
「自分たちで始めた小さなお祭りが今、長崎に花を添えられているっていうのは、本人としても、中華街としても誇り高いことなので。
その思いも今しっかり、つりがね堂や私ももちろん、中華街のメンバーも引継いでくれているので『これから任せてください』という気持ちです」

仕事に、街に、情熱を注いだ生涯。
今日は、大好きだった中華街を通って送り出します。