長崎原爆で全壊した三菱兵器大橋工場で被爆した女性が、このほど体験を元に絵本を出版し、父親が火葬された銭座小学校に寄贈しました。
長崎市立銭座小学校。
78年前、ここで教頭を務めていた父親は原爆症のため39歳で亡くなりました。
当時14歳だった山口美代子さんです。

自身も爆心地から1・4キロの三菱兵器大橋工場で被爆、その体験を元にした絵本「あの日のこと」を出版し銭座小学校に寄贈しました。
校庭で荼毘に付された父親ー。

生き残った後ろめたさを抱えながら語り部も続けています。
山口美代子さん(92)
「お陰で来れました。(当時の光景は)口では言い表せないですね。だってね何かにしがみつくでしょ怖くて。そしたら死体だったりね。戦争は絶対ダメ。本当これだけはね(伝えたい)」

福岡市在住の山口さん。8月9日には旧友たちの慰霊のため長崎市を訪れる予定です。