核兵器廃絶への道がいまだ見通せない中、長崎は被爆から78年を迎えます。
Pint!では、原爆に関する特集をシリーズでお伝えします。

「被爆78年 NO MORE…」
1回目は核兵器を巡る世界の情勢です。
ロシアによるウクライナ侵攻で、核兵器使用のリスクが一層高まるいま、核軍縮を進めるための手がかりを長崎から考えます。

米ロの対立で核軍縮条約「新START」は3年後に失効のおそれ

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって一年半。
核兵器をめぐる世界情勢は一段と深刻さを増しています。

核の超大国・アメリカとロシアの間に残る唯一の軍縮条約・新STARTをめぐっては、ことし2月、ロシアが履行停止を発表。

アメリカも情報提供を一部停止し、機能していない状態です。
条約は3年後に期限を迎えるため、このまま失効する恐れもあります。

長崎大学核兵器廃絶研究センター 中村 桂子 准教授:
「曲がりなりにも、ある程度の秩序を保ってきたような、そうした枠組みがどんどん地盤が緩んできてる、音をたてて崩れている。
そういった秩序が信頼できないとなると、もう自国ファースト。とめどない核軍拡に行くだけ」

6月には、ロシアが同盟関係にあるベラルーシに核兵器の配備を開始。

北朝鮮は、長距離の核攻撃にもつながりうる新型の大陸間弾道ミサイルの発射実験を繰り返しています。

現在、世界にある核弾頭の数は1万2520発と推定され、総数は減っているものの、実際に使える「現役核弾頭」は逆に増えています。