被爆未指定地域で原爆にあった人達が、被爆者認定を求めている「被爆体験者訴訟」は、3日被告側の証人尋問が行われ、原告側の訴えを真っ向から否定する主張が繰り広げられました。裁判は年内に結審する見通しです。

この裁判は、原爆が投下された時、爆心地から半径12キロ圏内にいながら、被爆者と認められていない「被爆体験者」44人が、長崎県と長崎市に被爆者への認定を求めているものです。

3日は被告側の証人尋問が行われ、東京で放射線によるがん治療を行う青木 幸昌医師がWEB会議システムで出廷、放射線の国際的な知見を元に「被爆体験者がいた地域で原爆放射線による健康リスクはなかった」と主張しました。

一方で、被爆体験者が体内に取り込んだ恐れがある『放射性微粒子』については「知らない」としたほか、原告の健康影響を否定する根拠とした被爆線量については「半減期の短い放射性物質について考慮していない」としました。

原告団長・岩永千代子さん:「放射線微粒子を知らないと言いましたね」

原告弁護団・足立修一弁護士:
「まあ、後は裁判官に明快な判断をしてもらうしかないのかな」

再提訴から5年。裁判所は年内に結審する見通しを示しました。