食用油にダイオキシン類が混入したカネミ油症事件の三者協議が開かれ、次世代救済に向けた『診断基準』改定の動きが期待されましたが、国は「科学的知見の集積が必要」とし、これまで通り、血中ダイオキシン類濃度に基づく認定が進められる、との考えを示しました。

24日、福岡市で開かれた三者協議は、被害者と国、加害企業が年2回、救済について協議する場です。

被害者の子や孫を対象に国が行った “次世代への健康影響調査”では、約6割の人が何らかの自覚症状を訴えていて、今回の協議では、今の診断基準では認定されない次世代の救済につながる『診断基準』改定に向けた動きが期待されていました。

しかし国は「基準の改定には科学的知見の集積が必要」とし、次世代の患者認定についても、これまでの科学的根拠とされている“血中ダイオキシン類濃度”に基づく考えを示しました。

厚生労働省 扇屋 りん 課長補佐:
「国の基本的な姿勢としましては、科学的知見が蓄積された所で必要な診断基準の改定がなされていくべきと考えている所です」

カネミ油症認定患者 鈴木 文史朗さん:
「 “次世代の診断基準ですよ”という所が示されると思っていたんだけど、蓋を開けてみるとそうではないよと」

今回の協議では、他に加害企業側から、患者が亡くなった際に払う香典の額を2万円から10万円に引き上げる意向が示されました。