学校では水泳の授業が行われる季節となりましたが、長崎市の小中学校ではスイミングクラブなど“民間のプール”を活用した授業が行われています。

通常、水泳の授業は学校内のプールで行われます。
しかし、施設の老朽化と水質管理の難しさ、そして維持管理に費用がかかるため、長崎市の一部の小中学校では、今年から“民間のプール”で授業を行うことになりました。
移動時間がかかるため、授業数は1減。
それでもインストラクターによる指導が受けられ、担任教師は児童・生徒をじっくり見る余裕が生まれるなど、メリットもあるということです。

小中学校のプールの7割は“建て替え”や“大規模な改修”が必要な状態

子どもたちが大好きな、夏ならではの授業、プール!

児童:「外は暑いけど、水の中は気持ち良いっす!」

いま、この授業が様変わりしつつあります。

長崎市三芳町にある『ビートスイミングクラブ』
この民間のプールにやってきたのは、長崎市立小江原小学校の1、2年生です。

インストラクター:「小江原小学校の皆さん、おはようございます」
児童:「おはようございます!」

行われたのは“習い事”としての水泳教室ではなく、学校の“体育の授業”です。

長崎市では2年前から、市内の民間プールで水泳の授業を試験的に開始。
今年度から小学校25校、中学校8校で本格的に運用が始まりました。

児童(男子):「ビート(の方が楽しい)。(プールが)深いし、楽しいから」

児童(女子):「楽しいです。先生が優しい」

授業を行うのは、スイミングクラブなどのインストラクターで、より専門的な指導が行われます。

ビートスイミングクラブ・岩永 由佳コーチ:
「全員がプールを好き嫌い関係なく来るので、プールを嫌いにならないように、こちらも心掛けながら、レッスンに取り組んでいます」

なぜ、こうした変化が出てきているのでしょうか?

小江原小学校のプール──
これまで使われてきたプールは、古い水が張られたままになっています。

長崎市立小江原小学校・兒玉 憲治教頭:
「子どもが学習をしている時に、ケガをするという危険と、水質管理の面で水の衛生、綺麗さを保つことが難しい」

多くの学校では今、様々な設備の老朽化が進んでいます。
プール周辺の設備もその1つです。

長崎市教育委員会によりますと、市内7割近くの小中学校のプールは、建て替えや大規模な改修が必要な状態になっていて、プールの年間の維持管理費用もあわせると、1校当たり約420万円かかる計算です。

これに対して、民間のスイミングクラブなどを活用した場合は、年間の費用は平均約180万円ほどで済み、新たな保護者負担も生まれないことから、長崎市では民間への移行を進めることにしました。