海上自衛隊で護衛艦の乗組員として勤務していた息子が自殺したのは『上官によるパワーハラスメント』や『長時間労働』が原因だとして、両親が国を相手に7,800万円の損害賠償を求めた裁判の第1回 口頭弁論が、7日、長崎地裁 佐世保支部で開かれました。

遺族側は「こうした事態を2度と繰り返さないためにも自殺の原因を明らかにしたい」と訴えました。
国側は受けて立つ構えです。

亡くなったのは佐世保を母港とする護衛艦『あけぼの』の当時20歳の乗組員です。

訴状によりますと、乗組員(20)は2020年9月頃、未成年ながら同僚と飲酒したため上官から反省ノートを毎日書くよう指導され、艦から出ることを無期限で禁止されました。

また2021年2月には、アメリカ軍基地内でファストフードを買って艦に戻ったところ、複数の上官が「禁止事項だ」と叱責。その翌日、艦内で自殺しました。

自殺は、その後『長時間の時間外労働によるうつ病が原因』として “公務災害”に認定されました。

乗組員の両親は「上官の指導はパワハラに当たり自衛隊は安全配慮義務を怠った」として、国に対しおよそ7,800万円の損害賠償を求めています。