水産業が盛んな長崎県で持続可能な養殖に取り組もうと長崎大学を中心に取り組む『ながさきBLUEエコノミー』が、国のプロジェクトに採択され、20億円の支援を受けることになりました。

長崎大学をリーダーに県や企業など20の機関で結成された『ながさきBLUEエコノミー』

“持続可能な水産” にむけた取り組みが今年2月、国から地域課題の解決のためのプロジェクトとして選ばれ、今後10年にわたって年に2億円の支援を受けることになりました。

テーマは『養殖業の産業化』です──

ながさきBLUEエコノミー 征矢野 清プロジェクトリーダー:
「長崎の養殖業者さんは家族経営に近い漁業者さん、あるいは小規模形態が多いということになります。
みんな力を合わせて協業化する、
あるいはホールディングスの形を作る、
そしてエサを一緒にかったり流通販売の経路を一緒に考えていく、そうすることによって大手に近いような産業化ができるだろう」

柱は魚の中でもトップの輸出量を誇り、海外での人気も高い『ブリ』の養殖です。

ながさきBLUEエコノミー 征矢野 清プロジェクトリーダー:
「ブリの養殖は “確立されたもの” だと思ってらっしゃる方はたくさんいると思うんですけれども、実はブリの養殖というのはその養殖をするための “稚魚をほとんど天然に依存” しています。
上限が2,500万尾です。もうほぼ上限に近づいています。
じゃあどうすれば良いのか…人工種苗を作るしかないと』

ながさきBLUEエコノミーでは環境への負荷が少ない『人工種苗』の生産拠点をつくり ”ブリの完全養殖” を目指しています。

ながさきBLUEエコノミー 征矢野 清プロジェクトリーダー:
「長崎は海洋・水産を基幹産業にしてきたところで、そこにもう一回、若者が集まって来て、ワクワクしながら養殖をやったり、それを売ったりしている。
そういった社会をつくっていく、そのための事業だという風に我々考えていますし、そういうものを目指しています」

将来的には水産物のマルシェを開くなどして若者を呼び込むことで地域活性化につなげていきたいとしています。