中学校における部活動のあり方が変わろうとしています。長崎県の教育委員会は来年度以降、県内の中学校の部活動を地域のクラブチームなどに段階的に移行していく方針を示しました。

子どもたちの成長や思い出づくりに欠かせない学校の部活動。

その一方で、顧問の教職員の長時間労働につながることや少子化が進む中、特に離島では、学校単位での活動が困難といった課題が指摘されていました。


こうした状況を改善しようと、県は一部の自治体ですでに導入されている、中学校における部活動の地域移行を、県内全域で段階的に進めていく方針を発表しました。

長崎県教育庁 体育保健課 永田数馬 参事:
「チームを組めなかったりなかなか部員が揃わずに練習が思うように子どもたちができない。そういった中で地域が一体となって持続可能なスポーツ活動、文化芸術活動にしていこうというのが目的です」

新たな方針では来年度からの3年間で、まずは休日の部活動を、可能な限り地域のクラブチームなどに移行し、競技ごとに決められた条件を満たせば、クラブチームが中体連へ出場もすることも可能になります。

新たに生じる課題は、受け皿となる組織づくりで、特に指導者の確保が急務だといいます。

長崎県教育庁 体育保健課 永田数馬 参事:
「人材を確保するために人材のデータバンクといいますか、そういうところも今検討しているところ。あるいは大学生の方にお願いするとか、協力いただく人材の確保を何とか努めていきたい」

中学校の部活動の地域移行について県は、来年度から3年間を『改革推進期間』として地域の実情に応じて、可能な限り早期の実現を目指すとしています。

一方で、課題も山積しています。

指導者の確保以外にも、指導者への謝礼や、グラウンドなどの使用料といった活動費用を会費として確保する必要があるため、保護者にとって、新たな経済的負担となることが懸念されています。

なお、今回の方針では部活動・クラブ活動の両方において一日の活動時間を平日2時間ほど、休日3時間程度としたほか、一週間のうち2日以上を休養日にあてることなども示されています。