地上19階建ての長崎市役所の新庁舎など、近年は長崎県内でも高層ビルやマンションの建設が進んでいます。
そんな中、高層の建物など被害をもたらす、長く、ゆっくりとした地震の揺れ『長周期地震動』について、気象庁が今月から、いち早く警戒を呼びかける、新たな情報提供を始めました。

震災発生時の都庁内:「おー、揺れてる揺れてる、すごい揺れてる」

長周期地震動は、地震で発生する周期の長いゆっくりとした揺れで、高層ビルや石油タンク、スタジアムなどの大きな建造物が影響を受けやすいとされます。

東日本大震災では、震源から遠く離れた、東京や大阪などの高層ビルに深刻な被害が出ました。

長周期地震動の揺れの大きさは、『震度』ではなく4段階の『階級』で示されます。
『階級3』は立っていることが困難な“非常に大きな揺れ”
『階級4』は這って動くことしかできないような“極めて大きな揺れ”となります。

気象庁は、今月1日から、地震により長周期地震動の階級3か4が予想される場合に、緊急地震速報でいち早く“強い揺れ”への警戒を呼びかけます。

気象庁地震火山部地震津波監視課 古謝 植之 調査官:
「近年、高い建物が増加しているということもありますので、こういった被害を軽減するためにいち早く、これから揺れが来るという情報をお知らせしたいと」

過去の例では国内で階級3か4が観測される頻度は、1年間に1回か2回程度だということです。

長周期地震動の特徴とは 平地気象予報士 解説

1つ目は高いビルを長時間にわたって大きく揺らすということ。
10分以上揺れることもあるといわれています。

2つ目は遠くまで伝わるということです。
震源から数百キロ離れた場所でも大きな揺れが起きます。

長崎でも高層ビルを多く見かけるようになっていますが、影響が大きくなる高さはあるのでしょうか──

東日本大震災の後に、東京消防庁が都内でアンケート調査では、特に“11階以上の高層階”ほど家具類の転倒などが起きる割合が高くなることがわかっています。

高層の建物ではどのような備えが必要でしょうか──

基本的には地震への備えと同じです。
家具類が移動したり倒れたりしないように固定することが大切ですし、万が一倒れた場合のことも考えて家具類の配置に気をつけることが大事です。

長周期地震動の階級3か4が実際に観測された場合は、NBCテレビでは字幕スーパーで速報でお伝えします。
大きな揺れを感じたら落ち着いてケガをしないように、まずは身の安全をはかるようにしてください。