「相浦で生活したかった」老舗呉服店を継いだ8代目

年に1度の「相浦夏祭り」を楽しもうと、境内は多くの家族連れでにぎわいました。

主催したのは、地元の若手経営者らで作る「相浦青年会」です。会長の安永さんは、10年以上にわたって青年会を引っ張っています。
安永さん自身も、子どものころに相浦の夏祭りで思い出を作った一人です。

「お祭りで小さいころ思い出を作った1人なので、自分たちの親世代とか地域の先輩方がされてたことを今自分たちが引き継いでいます」

愛宕山のふもとに広がる相浦町。

毎年5月には相浦川におよそ150匹のこいのぼりが揚げられ、訪れる人の目を楽しませています。

これも青年会の活動の一環です。

「相浦という地域を元気にするために、仲間たちと一緒にがんばっているという部分もあります」

安永さんは、町の大通りに店を構える「丸屋呉服店」の8代目店主です。

大学卒業後、いったん山口県の呉服店に就職しましたが、23年前、父・利平さんから店を継ぎました。

丸屋呉服店は江戸時代創業で、相浦町でも指折りの老舗です。店内には、黒光りする非常に太い大黒柱がどっしりと建物を支えています。

父・利平さんは、その歴史と圧倒的な存在感を示す柱を指しながら「嘉永3年の時の柱ですね。ちょうどペリーが浦賀に来た頃、この家ば造っとるっちゃなかとでしょうか」と話します。

そんな老舗を継ぐことになったきっかけは、家業を守ることだけではありませんでした。安永さんが大切にしたのは、「相浦で暮らす」という思いでした。

「この町、相浦という町で生活したかったので、丸屋→相浦じゃなくて、相浦→丸屋。相浦で生活するためには、実家は呉服屋しよんね、じゃ継ぐか」