2024年4月、北海道旭川市の橋から当時17歳の女子高校生を川に落下させ、殺害した罪などに問われ、7月に旭川地裁で懲役27年の判決が確定した内田梨瑚受刑者(24)に対し、20日、女子高校生の遺族がコメントを発表しました。

遺族は、内田受刑者に対する殺人罪の認定に一定の安堵を示しつつも、命を奪った罪に見合うより厳格な処罰を求めたいとし、被害者が味わった恐怖や遺族の深い苦痛が適切に量刑へ反映される制度の確立や、残忍な殺害方法に応じた減刑のない罰則の規定など、被害者遺族の感情に寄り添う法改正・制度見直しを国に強く求めています。

▼女子高校生の遺族のコメント(全文)

内田(受刑者)の主張が容れられずに殺人罪が認められたこと、内田に有利な事情が減刑に結びつかなかったことに、私たちは安堵しております。裁判が7月7日に確定しましたが、現在の私たちの思いは以下のとおりです。

国が定めた法律を遵守できなかった者を、法で裁く機関が検察であり、裁判所です。殺人事件においても、被害者・被害者遺族の無念を晴らす場でないことも理解はしております。

加害者を罰し、刑を与え、更生へ導く。法律を犯したものでありながら法のもとで保護される。しかし、被害者の無念、遺族の悲しみ、怒りを保護してくれる法律というものはありません。

大切な人を殺されれば、もうその命は戻ってきません。遺族はその悲しみ苦しみとともにずっと歩むことになります。たとえ民事裁判へ訴えても、刑務所収容の受刑者に賠償金支払能力があるわけがなく、涙をのんでいる被害者遺族の方がこの国にはたくさんいらっしゃると思います。

平均寿命も延び、急速に変わりゆくこの時代に、古いままの法律を当てはめて、この先も加害者がほほえみ、被害者が泣き寝入りする司法、法律のどこに公平性を見出せばよいのでしょうか。

遺族が望むものはお金ではありません。大切な命を奪った者に対する厳罰です。加害者は、裁判の場で、自分の口で述べ、「反省」や「若年」など、加害者側のために考慮されることがあります。しかし、殺害された被害者は何も発することができません。

遺族は、ただ厳罰を望むだけでなく、事件以降、その生活は一変し、肉体的にも精神的にも多大な苦痛を負うことになりますが、このような被害者・遺族側の苦痛、心情が刑に加算される目に見えるものもないため、その反映が可視化されるような制度になることを望みます。

また、川や海に水没させて殺害するという方法は、被害者の発見や、実際に落とされる前にどのような行為があったのかなど、捜査を著しく困難にして真実が解明できない、証拠隠滅行為を伴うもので、極めて悪質な方法です。刑法上、殺人罪は1つですが、殺害方法によって法律上の刑罰を区別されてもよいと思います。

殺害した人数が1人であれば死刑の適用は難しいという判例に従う運用の見直しとともに、被害者の無念、遺族の悲しみ苦しみといった遺族の心情を救済し、少しでも被害者・遺族に寄り添う法律、犯罪を抑止するための法律、有期刑と無期刑に大きな差がある現行の刑法など、法務省、立法府に身を置く国会議員の皆様には、法律の見直し、制定を検討していただくことを強く願います。