動き出した両親 託された「命の重さ」

両親は、いじめの防止や対策を怠った学校に罰則規定を設けるため、「いじめ防止対策推進法」の改正を求める署名活動にも力を注いできました。
去年11月には、約6万5千筆の署名を国会の文部科学委員会へ提出しました。

勇斗さんの死後届いたダイレクトメール

現在も両親の下には、勇斗さんが節目を迎えるはずだった年に合わせて様々な郵便が届きます。本来であれば成人を迎えるはずだった2021年。
届いたのは、勇斗さんあての「成人式用のスーツ」を宣伝するダイレクトメールでした。

勇斗さんの母親:
「つらかったですね、もう亡くなってるのにと思って」

勇斗さんの小学生時代の文集

勇斗さんの夢は、大好きなディズニーリゾートのエンジニアになることでした。

勇斗さんの父親:
「今頃生きてたらどんな感じで我々みたいな大人と混じって仕事してたんだろうなとか、やっぱり想像を巡らせますね」

ディズニーリゾートからの返事

勇斗さんの死後、兄は、弟の夢を綴った手紙をディズニーリゾートへ送っていました。
返信の手紙に記されていたのは、『私たちも勇斗さんと一緒に働きたかった』という温かい言葉でした。兄は今、弟の遺志を胸に、国内のテーマパークで働いています。

届いた手紙を「宝物」だと語る両親。しかし、その宝物を一番に見せてあげたかった我が子は、もうどこにもいません。

「一人の人間の命は地球よりも重い」――裁判を通して社会へ伝えたい思い

勇斗さんの両親には、社会に対して伝えたい思いがあります。

勇斗さんの父親:
「 “一人の人間の命は地球よりも重い”と。この言葉が、いまインタビュー受けてて改めて痛感しまして。これは我々遺族もそうですし、学校もそうですし、社会もそうですけど、やっぱりこの言葉 “一人の人間の命” というのをですね、この裁判を通して、どういう結論が出るかわかりませんけど、やっぱりみんなが認識していただきたいなという風に きょう改めて痛感いたしましたね」

勇斗さんが遺した言葉、そして第三者委員会が自殺の主たる要因とした「いじめ」の存在。

一方で、「いじめ」が原因ではないと主張し続ける学校側。

16歳で自ら命を絶った男子高校生の死に、裁判所はどのような判断を下すのか。判決は、今月8日に長崎地裁で言い渡されます。

※本記事における学校側の主張は、これまでの裁判における提出書面や、結審後の弁護士への取材に基づき構成しています。長崎放送では、第三者委員会報告書の拒絶理由や当時の対応の意図について改めて海星学園側に取材を申し込みましたが『係争中のためコメントは控えさせていただきます』とのことでした。