高病原性鳥インフルエンザへの感染が疑われていた長崎県佐世保市の養鶏場のニワトリが22日午前、遺伝子検査で『陽性』と確認され、県は現場の養鶏場で飼っているおよそ2万7,000羽すべての殺処分を始めました。

長崎県内では初めてとなる鳥インフルによる殺処分は、22日午前7時から 223人態勢で始まりました。

県では発生農場で飼育されているすべてのニワトリ およそ2万7000羽を殺処分する方針で、午後3時現在で 1万2,910羽を処分したとしています。

22日、遺伝子検査で『陽性』が確認されたのは、佐世保市江迎町の養鶏場で採卵用に飼育されていたニワトリです。

この農場で12日、16羽が死んでいるのが見つかり、死んだ11羽と生きている2羽の合わせて13羽を検査したところ、すべてでH5亜型の『陽性』が確認されました。

県内の養鶏場での確認はこれが初めてで、今後、国が1週間ほどかけて確定作業を進めます。

県は関係部局を集めた対策会議を開催しウイルスの封じ込めと風評被害などへの対策徹底を確認しました。

大石長崎県知事:「封じ込めについて万全を期して頂きたい」

現在、現場の養鶏場を中心に半径3キロ以内をニワトリや卵の移動を禁止する『移動制限区域』に。
3キロから10キロ以内を外への出荷を禁止する『搬出制限区域』に指定しているほか、周辺道路には消毒ポイント4カ所が設けられています。

21日時点で、長崎県内の他の養鶏場に異状は確認されていません。

22日は、養鶏業者らを集めた会議も開かれ、全国的に発生農場の近くに水辺があるケースが多いことなどの情報を共有。対策の徹底が改めて確認されました。

県養鶏農業協同組合 深沢 晃 組合長:
「いつどこで発生があっても…という覚悟の様なものはありました。特に島原の方は養鶏団地の様な立地になっているので、そこでの拡大がないことを今は祈っている」

鶏肉や卵を食べたことによるヒトへの感染は報告されておらず、県は風評被害防止への理解を呼びかけています。