「今回に限っては…」

1日に開かれた公判で、長崎地裁の太田寅彦裁判官は「通所者との関係で自己が優位な立場にあり、通所者が抵抗困難であることを利用して暴力を加えており、犯行態様は悪質といえる」

「被害にあった通所者らに身体的苦痛を与えているところ、その家族に与えた不安感や他の通所者や施設の運営に及ぼした波及的な影響も軽く見ることはできない」

「常習性もうかがわれるところ、自己のいら立ちを弱い立場にある通所者に対する暴力として表出させた自己中心的な動機に酌むべき点は乏しい」などとした。

一方で、被害にあった通所者のうちの1人に対しては損害賠償金の一部として10万円が支払われていることなどを考慮し「今回に限っては社会内での更生に期待して刑の執行を猶予するのが相当」として懲役8か月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。