長崎大学は19日、早期食道がんが発見された患者を、約3年半の間治療しないまま放置していたと発表しました。

「早期食道がん」を3年半放置
発表によりますと、患者は2021年4月に「下咽頭がん」の診断を受け、併発の可能性があることから重複がん検査を受けたところ、「早期食道がん」が発見されました。複数人の医師による協議で、下咽頭がんの治療後、速やかに食道がんの治療に入る方針が確認されましたが、患者への告知も、食道がん治療を担当する消化器内科への連絡も行われず治療は実施されませんでした。
CTやMRIなどの画像検査は3か月ごとに実施されていますが、「CTで描出できるほどの大きさではなかった」ため、気づけなかったとしています。
2023年4月、担当医の退職に伴い、外来担当医が交代。
2024年10月になって、現在の担当医が過去の内視鏡検査結果を確認した際、早期食道がんが放置されていることに気づいたということです。

がんの進行状況は?
長崎大学病院は患者に事実の説明と謝罪を行うと共に、食道がんの検査を実施。その結果、進行度は初診の時と同じ早期食道がんで、「2021年の発見当時から病変が拡大していたものの、進行度は変わっていないことが確認された」としています。
選択肢としての治療方針については、内視鏡または化学放射線治療のどちらかで治療効果が望める状況にあるとしており、今後患者と相談しながら治療を進めるとしています。