「はっきり覚えている」
原告・村田勝子さん(82):
「覚えています、はっきりと。姉と兄と一緒に、おばさんの家におつかいに行った帰り道だったから。畑にいたおばさんに「カギかかってなかったけん、魚そのまま置いてきたよ」って声かけて。おばさんは「ありがとう。昼やけん、はよ帰れよ」って。
おつかいの帰り道、勝子さん達3兄弟の頭上を飛行機が飛んで行きました。3人はとっさに地べたに伏せたと言います。閃光と爆風が襲ったのはその後でした。

「突然爆風が吹いたんです。ピカ!どん!やった。大地がゆらゆら揺れました」
真っ赤に染まった空
「私は爆風が化け物だと思ったんです。『言うこときかんと化け物が出てくるぞ』と言われよったもんですから。だから怖くて泣きだして歩かないって駄々こねて。姉に防空壕までおんぶしてもらいました。姉はまだ小学1年生。小さな体で私をおんぶして」
防空壕の前まで来た兄弟3人。ふと長崎の方を振り返ると、空が異様なほど真っ赤に染まっていました。
「長崎の方を見たら、真っ赤に、夕焼けよりももっと赤かった。『夕焼けかな?』『夕焼けじゃないよね、昼やから』って話して。そしたら姉が『あれはなんやろなー』って言うんですよね。『昼なのに、お星さまじゃないし、お月様じゃないし』ってつぶやいてる」

「恐る恐る見上げると、きらきら光ってた。燃えたのが暗闇の中飛んでる、燃えながら飛んでたんです」
ーそして、空から「真っ黒な雨」が降ってきました。








