自分のペースで自由に働けるフリーランスが増加する中、取引トラブルが深刻な問題となっています。11月に施行される「フリーランス・事業者間取引適正化等法」は、そんなフリーランスの不安を解消するための重要な法律です。この新法が、具体的にどのようにフリーランスの働き方を守り、取引の適正化を進めていくのか、詳しく解説します。
【住吉アナウンサー(以下:住)】長崎の暮らし経済ウイークリーオピニオン。今週も平家達史NBC論説委員(以下:平)とお伝えします。
今回のテーマは「フリーランスを守ろう!新法施行へ」です。

今年11月に、フリーランスに関する新しい法律である「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が施行されます。
【住】そもそもフリーランスとは、どのような仕事の方でしょうか?
【平】フリーランスとは、企業に雇用されずに、個人で働く人です。最近は、「自分のスタイルで働きたい」、「働く時間や場所を自由にしたい」とフリーランスという働き方を選ぶ人が増えてきました。
【住】どんな業種にフリーランスの人が多いのでしょうか?
【平】例えば、IT関連、デザイン、映像制作、カメラマンやディレクター、アナウンサーなどにもフリーランスの人がいらっしゃいます。

【住】今回の「フリーランス新法」とはどんな法律なんでしょうか?
【平】働き方の多様化が進み、フリーランスという働き方が社会に普及してきた一方で、フリーランスの人がフリーランスの人に仕事を発注する事業者との関係で、様々な問題やトラブルを経験していることが明らかになっています。そこで、フリーランスの人が安心して働ける環境を整備しようと定められたのが「フリーランス新法」です。法律のポイントについて長崎労働局に聞きました。

長崎労働局 雇用環境・均等室 佐藤かおる室長:
「フリーランスと、フリーランスに業務を委託される発注事業者の取引が適正に行われるようにという「取引の適正化」という部分と、フリーランスの働く環境を整備する「就業環境の整備」、この2つの柱から構成されている法律になります。個人と対企業ということにはなりますので、そのあたりで交渉力に差ができてしまうというところがトラブルの背景としては1つあるのかなと考えております。フリーランスで働く方の就業環境もきちんと整備する必要があるだろうと」
【住】「就業環境の整備」と「取引の適正化」という2つのキーワードが出てきました。 まず「就業環境の整備」とは具体的にはどのようなことでしょうか?
【平】4つの環境整備が必要です。 まずは、①募集要項の的確表示義務。これは、事業者が広告などでフリーランスを募集するときは、虚偽の情報や誤解を招く表示を行わず、正確かつ最新の情報をきちんと表示することです。
それから、
②育児や介護などと業務の両立に対する配慮
③ハラスメント対策に係る体制整備
④中途解除などの事前予告・理由開示義務です。
【住】次に「取引の適正化」とは、どのような状態でしょうか?
【平】まず
①フリーランスの人に業務を委託する場合は、書面などによって取引条件をきちんと明示してなければなりません。それから
②報酬の支払い期日の設定や、支払い日を明確に伝え、きちんと支払うことが定められています。