公共事業の必要性について再評価を行う長崎県公共事業評価監視委員会は2日、長崎県東彼杵郡川棚町の石木ダム事業の継続を妥当とする意見書を大石知事に提出しました。

石木ダムの必要性について大石知事は「議論する段階ではない」としていますが、委員会から反対住民への説明を尽くすよう意見が出されたことも踏まえ、引き続き面会の機会を模索したいと述べました。

長崎県大石知事:
「最近の自然災害の状況であるとか、それを踏まえた事業効果であるとか、そういったことも説明していかないといけないと思っています。それをできる機会をどのように作るのかはあらゆる努力を続けていくしかない」
同日2日、県と佐世保市が計画している石木ダムの建設予定現場を、熊本県球磨川水系の川辺川ダム建設計画に反対している市民団体の11人が訪れました。石木ダムと川辺川ダム、2つのダムはどちらも構想から半世紀以上たっています。

石木ダム建設予定現場の住民:
「3地区120世帯くらいあったんですが切り崩されて、絶対反対の我々がずっと引き継いで今もやってます」
58年前に計画が策定された川辺川ダムは、2008年に熊本県知事が計画を一旦白紙撤回しました。しかし2020年の水害をきっかけに再び計画推進を表明。反対の立場の市民が石木の現場で感じたことは?

ダムによらない復旧・復興を求める人吉・球磨の会・林通親代表:
「行政が一度言い出したらあくまで作るという姿勢を感じます。そこが共通している」

石木ダム建設に反対する現地住民・炭谷猛さん:
「現地を見てもらうのは私たちにとってもいいし、同じような考え方の人がまだまだいるんだということで自信になります」
半世紀たっても実現していない2つのダム。石木ダムと川辺川ダムの反対住民は今回の視察で計画の矛盾点について情報を共有していました。








