長崎県では、ひとり暮らしの高齢男性が被害者となるニセ電話詐欺事件が相次いで発生しました。

長崎市の70代の男性会社員は、警察官を名乗る人物らから口座を調査する名目で現金500万円をだまし取られました。

男性は今月1日、警視庁の警察官を名乗る人物から「あなたのPayPay銀行の口座がマネーロンダリングの犯罪に使われている」などと電話で伝えられました。その後、栃木県警の警察官や検事を名乗る人物らから「あなた宛ての被害届が多数出されている」との電話を受けた男性。資金を調査する名目で、指定された口座に現金500万円を振り込み、だまし取られたということです。

男性は振り込み後「冷静になって考えたら詐欺かと不審に思った」として警察に届け出たことで、事件が発覚しました。

また、大村市に住む70代の自営業の男性は、暗号資産の引き出し手数料の名目で現金50万円相当の暗号資産をだまし取られました。

警察によりますと、数年前までインターネット上で「ビットフライヤー」を通じて暗号資産の取引を行っていた男性は先月、外国の金融機関の社員を名乗る人物から、片言の日本語で「保有する暗号資産の利益が増えて377万円分になっているが凍結されており、速やかに引き出す必要がある」という電話を受けました。

その後、男性は外国の金融機関の社員を名乗る別の人物から「50万円分の暗号資産を送れば、377万円分の半分の暗号資産を送る」などのメッセージを受信します。

話を信じた男性は、自身の「ビットフライヤー」の口座に50万円を入金。社員を名乗る人物から購入の代行を提案されたため、暗号資産のアカウントIDとパスワードを教えたということです。

「377万円分の半分」の暗号資産が送られてこなかったことで男性が被害に気付き、警察に届け出て、詐欺が発覚しました。警察はアカウントに不正ログインされ、50万円分の暗号資産をだまし取られたとみて捜査を進めています。

いずれも国際電話番号からかかってきたものと見られていて、警察は「身に覚えのないメールや電話は無視すること」や「警察や検察庁が指定口座にお金の振り込みを求めることはない」として、ニセ電話詐欺への注意を呼びかけています。