浦上天主堂の被爆マリア像を修復した被爆者西村勇夫さんが今月21日、長崎市内の病院で膀胱がんのため亡くなりました。88才でした。
木工職人だった西村勇夫さん。原爆の熱線で焼け焦げ3つに割れたままだった被爆マリア像を、被爆から55年がたった2000年に修復し、像を納める祭壇も作りました。
カトリック信徒の西村さんは、11歳の時、爆心地から1・4キロの自宅で被爆。焼けただれた人々が死んでいく姿を目の当たりにしました。
被爆者であることを隠し、一時は信仰心も失っていましたが、物言わぬ傷ついたマリア像の修復を通して、自らの運命にも向き合い、平和への祈りを重ねました。
西村さんの告別式は今月25日、被爆マリア像が安置されているカトリック浦上教会で執り行われたという事です。