■ 川が氾濫して私たちを襲う『異変を感じたらすぐ逃げる』
住吉:
水害では土砂災害だけでなく、河川の氾濫も大きな被害をうみました。

東長崎地区。町の中央に流れる八郎川の周辺で、40年前に大きな洪水被害がでました。

川の水があふれた道路には、車やがれきが押し流され、60人以上が犠牲となりました。


映像に残ったこの酒店を訪ね、当時の状況を聞くことにしました。

長崎市矢上町に今もある酒店の店主、小林有三さん(54)です。
当時、中学3年生で、家族と夕飯をとっていた時に、自宅兼店舗が浸水しはじめ、近くの公民館に避難しました。

松尾さん:
「その時は家の周りはどんな状況でした?」
小林さん:
「これくらいでしたよね。20~30センチは水が入って。翌日に店に戻ったときは、この辺までは来てた」
松尾さん:
「2m40~50センチですかね」
小林さん:
「そうですね」
避難先の公民館から道路を見下ろすと、店の前は一気に水位が上昇し、濁流があらゆるものを押し流したといいます。

小林さん:
「車に乗ったまま流されていらっしゃる方を何人も見ました。『助けて』という声も聞こえたし。車を置いて逃げるという判断も必要です。(運転手が)それをそのまま乗っていたら、命がなかったかなと思います」
家にとどまっていたら、命の危険もあった小林さん。
普段とは違う異変を感じた場合には、すぐにその場を離れて安全な場所に移ることが教訓だと話しています。
松尾さん:
忘れてはならないのは、長崎大水害は土砂災害であった、これは重要ですけれど、川も氾濫するんだと。『川が氾濫して私たちを襲ってくるんだ』ということを理解しておくことが重要ですよね。