優れた短歌を詠んだ人に贈られる「若山牧水賞」の授賞式が宮崎市で行われ、今年度の受賞者、奥田亡羊さんに賞状などが贈られました。
若山牧水賞は、日向市東郷町出身の歌人、若山牧水の功績を顕彰しようと設けられたもので、今年度は、東京都の奥田亡羊さん55歳が選ばれました。
受賞作の歌集「花」は、時代や日常生活への問いかけが詰まっていることなどが評価されました。
(若山牧水賞受賞・奥田亡羊さん)「弟の学費を払いおとうとの下級生となる/姉の篠田さん」
これは、奥田さんが定時制高校の支援相談員をしていた時に出会った高校生を詠んだうたで、過酷な状況におかれても、しっかり生きる若者がいることを表現したということです。
(若山牧水賞受賞・奥田亡羊さん)「ふたりの弟の学費を払っているので、ずっと一番上のお姉さんが1年生のまま。弟たちが追い越して学年が上になっていく」
「自分が何がいいたいかではなくてこんな人たちに出会った現代社会でこんなものに出会った、それを『そっと提示する』ような形が好ましい、そういうふうになりたい」
奥田さんは、22日、若山牧水が生まれた日向市を訪れ、高校生が詠んだ短歌を講評するほか、延岡市で記念講演を行います。