被害が急増している特殊詐欺について、宮崎県警察本部が特殊詐欺の犯人による電話音声を公開しました。
【音声データ】
「総合ポータルサイトSNOWのご登録をいただいておりまして、こちらのご利用料金の方が1年間長期未納ということで、本日、ご連絡を差し上げております」
これは、去年11月、NTTファイナンスの職員をかたる男から、宮崎市に住む60代の男性の携帯電話にかかってきた電話です。
男は、インターネットサイトの利用料金が支払われていないと言い、違約金や遅延損害金などとしておよそ30万円を支払うよう要求してきました。
【音声データ】
(男)
「こちらのご精算というのは確定しておりまして、ご請求の方も確定しております」

(被害男性)
「それはそのSNOWって会社が勝手に言ってることでしょ」
(男)
「こちらですね、私どもはSNOW様から債権の委託を受けさせていただいて、本日ご連絡をさせていただいているんですね」

(被害男性)
「はい」
(男)
「ご本人様の携帯端末からご登録されたことが電子記録上、記録によって、こちら確認できておりますので、法的には支払いの義務というのが生じています」

このあと、男は、支払わなければ裁判をすると言いましたが、男性は不審に思い警察に通報したため、被害には遭いませんでした。
県警察本部によりますと、去年1年間に、県内で発生した特殊詐欺の被害は前の年から倍増し52件、被害総額は、1億3628万円。
被害者の6割近くは、65歳以上の高齢者ですが、29歳以下の若い世代も被害にあっています。


(宮崎県警察本部生活安全部 竹之内 慶郎統括官)
「犯人はいろんな手口、巧妙な手口でお金をだまし取ろうとします。電話やメール等で少しでも不審に感じた場合は、絶対に応じることなく、家族や知り合いなどの身近な人に相談をして警察へ通報をお願いします」

男性は、詐欺被害防止に役立ててもらおうと、警察にデータを提供したということです。
この音声は、宮崎県警察本部のホームページで公開されています。