宮崎市出身の右手のピアニスト、押川憧子さん。
8月25日の夜、地元で開かれた演奏会で、宮崎の神楽をモチーフにした新曲などを披露しました。
どんな演奏会になったのでしょうか。

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ホールに響き渡るピアノの音色。
演奏しているのは、宮崎市出身で東京音楽大学大学院生の押川憧子さん。鍵盤を鳴らしているのは右手だけ、右手のピアニストです。

3年前の大学4年生の時、左手が、局所性ジストニアと診断された押川さん。
病と向き合い、世界でも珍しい「右手のピアニスト」として、新たな道を歩み始めました。

演奏会には、右手での演奏をはじめるきっかけとなった、左手のピアニスト・智内威雄さんや、大学で押川さんを指導する浜野与志男さんも出演しました。

(左手のピアニスト 智内威雄さん)
「右手のピアノ音楽これは前例がないものなので、本当にこの宮崎から世界へこういった分野が広がっていくのではないかなと思っております」

押川さんは、大学院に進学後、作曲家とともに右手のための曲作りに挑戦。

7月に完成したばかりの新曲のモチーフにしたのは、宮崎の風景を描き続けた画家、弥勒祐徳さんの夜神楽の作品です。

(右手のピアニスト 押川憧子さん)
「宮崎の伝統文化であるその神楽、そして、それを描き続けた弥勒さんの作品と、そして、我妻さんの音楽とクラシック音楽として出来上がったことが、もう本当に素晴らしいなと思いますし、それを私が演奏する最初の1人になれたことが本当に誇らしいなと思って」

多くの観客が訪れた25日夜の演奏会。
押川さんにとっては、右手のピアニストとして宮崎で初めて臨む演奏会です。

いよいよ、新曲「神と舞ふー天に歌ひて」。

祝詞を思わせるメロディから、にぎやかに神楽が舞われていきます。
そして、最後は夜明けを迎えます。

(右手のピアニスト 押川憧子さん)
「今、自分にできる演奏は。弥勒先生に届けることが出来たかなと、最後、弾き終わって思ったんですけど」

およそ11分半に及ぶ演奏に、会場が幻想的な空気に包まれました。

(来場者)
「音の跳躍であったりとか、ぜんぜん片手じゃない感じの演奏ばかりでとても音色がきれいで、とても良かったです」
「また両手とは違って、右手だけ、左手だけというのは、音の音色の音域の幅が違って面白いなと思いました」

曲のモチーフとなった絵の作者、弥勒さんの家族も会場で聞き入っていました。

(弥勒祐徳さんの長男 弥勒 猛さん)
「まさかねこういった形で父の絵がですね。表現されるとは(本人も)夢にも思ってなかったと思うんですけども。きょうは、うまい焼酎を上(天国)で飲んでるんじゃないでしょうかね」

病気と向き合いながら前へと進む押川さん。
世界でもほとんどいない右手のピアニストの道をこれから切り拓いていきます。

(押川憧子さん)
「右手のピアニストとして、やっていき始めた中で、こういう貴重な機会をいただけたのでスタートだなっていうふうに、そして、作品をいろいろ生み出していくスタートでもあるなって。誰かの希望になれるような、そんな風に前に進んでいけたらなというふうに思います」

【参考】
押川さんは、新たな右手の曲作りを進めるため、現在、クラウドファンディングに取り組んでいると言うことです。
これからの活躍が楽しみです。

※MRTテレビ「Check!」8月26日(水)放送分から