宮崎市の高千穂通りで発生し、6人が死傷した歩道暴走事故から28日で10年です。

事故で犠牲となった女性の遺族が現場を訪れ、交通ルールの徹底をドライバーに強く訴えました。

(記者)「白の軽、撮って。今、歩道走ってる」

歩道を突っ切る1台の車。


事故が起きたのは10年前の2015年10月28日。
宮崎市の高千穂通りで当時73歳の男性が運転する軽乗用車がおよそ700メートルにわたって歩道を暴走し、男女6人がはねられ、このうち、2人が死亡しました。

(三浦功将記者)
「あの事故から10年が経ちました。ただ、今も遺族の交通安全を願う気持ちは変わることはありません」

28日、現場には事故で亡くなった藤本みどりさんの兄、優さんと妻の洋子さんの姿がありました。
2人は花を手向け、静かに手を合わせました。

(藤本 優さん)
「今年も10月になると、妹のことを思い出して、毎日、仏さまに水とお茶と線香をあげるんですけども…」


花束に添えられたオレンジ色の花は「輝かしい未来」という花言葉を持つ極楽鳥花の花で、藤本さんが自宅の庭で育てたもの。

通常は1年に1、2本しか花を咲かせないそうですが、今年は28日までに21本も花が咲き、藤本さんはみどりさんが語りかけているようだと話しました。


(藤本 優 さん)
「21本の花が咲いてびっくりしていたところです。妹もこれで安心したのかなと」

ただ、今でも交通事故のニュースを見るたびにみどりさんを思い出すという藤本さん。
改めて、すべてのドライバ―に対して交通ルールの徹底を強く訴えました。

(藤本 優さん)
「10年前の光景を考えると、悲しくて、むなしい気持ちでいっぱいです。何年たっても悲しみは消えません。車を運転するドライバーの方は交通ルールをしっかり守ってほしいです」


あとを絶たない悲惨な交通事故。
どんなに時が経とうと、消えることのない悲しみを遺族は抱えています。

※MRTテレビ「Check!」10月28日(火)放送分から