今年の夏も記録的な暑さとなりましたが、近年、夏の暑さの影響で問題となっているのが、コメの品質低下です。
こうした中、宮崎市では暑さに強い新しい品種のコメが栽培されていて、7日、稲刈りが行われました。
(廣末圭治記者)
「今日も気温が30℃近くまで上がる中、こちらの田んぼでは、新しい品種のコメの稲刈り作業が行われています」
宮崎市高岡町の田んぼで収穫の時期を迎えたのは、「南海189号」。
県が2011年から開発を進めてきた普通期米の新しい品種です。
県産普通期米の主力はヒノヒカリですが、近年の夏の高温の影響で、品質低下が課題となっています。
(宮崎県中部農林振興局 横山 寛 技師)
「JAみやざきの検査によると、管内のヒノヒカリのほとんどが『白未熟粒(しろみじゅくりゅう)(粒が白く濁る)』が発生していて、品質に影響が出ているとなっている」
「南海189号」は太い茎で暑さに強く、粒が大きくて数も多いのが特長。
さらに、稲を枯らす「いもち病」にも強く、味わいもヒノヒカリと同じくらいだといいます。
今年、「南海189号」を初めて試験栽培した宮崎市の農家・南平さんも、その特長に驚いています。
(南平幸宏さん)
「各段、ここの田んぼに手を入れたわけではない。ほかの田んぼと全く作り方は一緒。水管理も一緒なので。コメ農家にしたら面白い品種になってくるんじゃないか。楽しみ」
県では来年度から希望する農家に対して「南海189号」を提供し、高温被害の低減につなげたいとしています。
また、「南海189号」は系統の名前ということで、宮崎県では、来年3月に、このコメの名前を発表することにしています。