今年6月、ウクライナから家族で宮崎市に避難してきた男性。
周りのサポートを受けながら懸命に働いています。
長期化する避難生活の中、男性の思いを取材しました。
妻と3人の子どもとともに来県
ウクライナから避難してきた、ディミトロ・ヴォロキティンさん、42歳。
先月から、宮崎市の廃棄物収集運搬処理会社「第一環境施設」で働いていて、周りから「ディマ」の愛称で呼ばれています。

ディマさんは、ウクライナ第二の都市、ハルキウに暮らしていましたが、戦況が激しくなり避難を決意。
今年6月、宮崎市に住む友人を頼って妻、そして3人の子どもとともに来県しました。


ウクライナでは食肉加工の仕事をしていたディマさん。現在、ゴミを解体したり分別したりする仕事に従事しています。
(第一環境施設 長濵博常務)
「一度教えてしまうと、頭の回転が良いというか、覚えてですね、力も強いもんですから、非常に頼りになる能力を持ち合わせた人ですね。ただ、言葉の壁っていうのは、職員にも管理職にもありましてですね、そこをどう解決できるかなっていう疑問はあったんですけれども」


翻訳アプリで「言葉の壁」を乗り越えて
その「言葉の壁」を解決しているのは、翻訳アプリ。

(従業員)
「ウクライナではゴミを分別せず、どういった処分方法をしているんですか?」
※翻訳アプリでウクライナ語に変換、音声をディマさんに聞かせる。
これを聞いたディマさんがウクライナ語で翻訳アプリに。
(ディマさん・翻訳アプリの音声で)
「ウクライナでは、すべてのごみが埋立地、広大な土地に運ばれ、そこに全て埋められます。日本でのごみの扱い方にはとても驚かされます」



アプリを通した会話でコミュニケーションをとっているディマさん。
時には、こんなやり取りも…
(同僚)
「日常会話で僕らが使うような『まじで?』とか、そういうのを教えて、笑いながら仕事してます」

(同僚)
「僕の親戚のおじさんは、身長が4メートルあります」
※同僚が翻訳アプリでウクライナ語に変換、それを聞いたディマさん
(ディマ)
「まじで!?」


※ディマさん、翻訳アプリにウクライナ語で話す
(ディマさん 翻訳アプリの音声)
「この男はとてもおもしろいです」
このように冗談を言い合ったり、家族のことを話したりする時間が一番の楽しみなんだそうです。
(ディマさん・翻訳アプリの音声で)
「快く迎えてくれたチームに心から感謝したい。それは私をとても助けてくれます。そしてどうもありがとう」
(ディマさん)
「ありがとうございます」

(第一環境施設 兒玉隆幸次長)
「こういった明るい性格とですね、誰とでも打ち解ける性格っていうことで、我々の方が非常に助けられております。避難民として受け入れてますけど、我々はそうではなく仲間、家族と思ってますので、またこれからも一生懸命みんなで頑張っていきたいと思います」
