宮崎県は、都城市で発見された死んだ野生のイノシシについて、家畜伝染病に指定されている「豚熱」の疑いがあると発表しました。
県は対策本部会議を開き、今後の対応を確認しました。
県によりますと、9日、都城市で見つかった死んだ野生のイノシシについて、県の家畜保健衛生所で豚熱ウイルスの遺伝子検査を行ったところ陽性が確認されたということです。
現在、国の検査機関で詳しい検査が行われています。
県は、午後5時から対策本部会議を開き、今後の対応を確認しました。
それによりますと、国の検査で陽性が確定した場合、発見地点から半径10キロの区域を「感染確認区域」に指定。
イノシシの捕獲を強化するほか、豚熱ワクチンの緊急散布を行うことにしています。
半径10キロ以内には97戸の養豚農場があり、およそ17万4000頭の豚が飼育されているということです。
(宮崎県 河野俊嗣知事)
「実際にこれが陽性ということが確定すれば、さらに緊張感をもって、農場に持ち込ませない対策、それから野生のイノシシに対策というのが必要となってくる」
九州で野生のイノシシから豚熱が確認されたのは、去年、佐賀県で確認されたのが初めてで、今年は長崎県でも野生のイノシシから確認されていました。
豚熱について、農林水産省による消費者と畜産農家への呼びかけです。

まず、消費者への呼びかけとして、豚熱は豚やイノシシの病気で、人に感染することはないということです。
仮に豚熱にかかった豚の肉や内臓を食べても、人体に影響はないということです。
続いて、畜産農家への呼びかけです。
豚熱は豚やイノシシへの強い伝染力が特徴です。
衛生管理を徹底するとともに、早期発見のため毎日しっかり観察していただきたいとのことです。
県内での豚熱疑いを受け、県は、12日、緊急防疫会議を開くことにしています。