宮崎県美郷町ではおよそ半世紀前まで製造されていた日本酒を再現しようと「幻の酒復活プロジェクト」が進められています。
8日は、延岡市の清酒メーカーで初めての仕込みがありました。

美郷町宇納間の甲斐酒店が1968年まで製造していた日本酒「いすゞ美人」を再現しようと、町をあげて取り組んでいる「幻の酒復活プロジェクト」。

2022年には産学官で委員会が結成され、これまで酵母の採取や当時使われていた原料米「瑞豊」の栽培などに取り組んできました。

そして、8日、酒造りを担当する延岡市の清酒専門メーカー・千徳酒造で、酒づくりのもととなる酒母づくりがスタート。

美郷町からは、甲斐酒店5代目の妻、甲斐文代さんのほか、プロジェクトメンバーも駆け付け、作業を見守りました。

酒母づくりには、当時と同じ、原料米「瑞豊」38キロと甲斐酒店の井戸水42リットルなどが使われ、水や麹、それに、酵母が入ったタンクに蒸して冷ました米が入れられました。

(甲斐酒店5代目の妻 甲斐文代さん)
「早く飲みたいです。楽しみにしています、出来上がるのをですね。どんなのができるんだろうと思って」

(千徳酒造・杜氏 門田賢士社長)
「お米も今までなったお米を再現してということで、たくさんの方の思いがすごく入っている。だから、思いをしっかり受け止めて、おいしいお酒を造っていきたいと思っております」

今後は甲斐酒店の酒蔵から採取された酵母が加えられ、3回の仕込みを経て、日本酒「いすゞ美人」は、来月中旬ごろ、完成するということです。

日本酒「いすゞ美人」は、来月20日の宇納間地蔵大祭でお披露目され、販売もされる予定だということです。