台風10号の接近に伴って、宮崎市赤江から柏原で発生した竜巻とみられる突風について、少なくとも2つの突風が発生したとみられることが分かりました。
現地を調査した専門家は「竜巻とみられる突風が同時多発的に発生した」と指摘しています。
先月28日の深夜に宮崎市赤江から柏原で発生した竜巻とみられる突風。
その強さは、風速およそ65メートルと推定されています。
この突風について、先月、2回、現地調査した宮崎大学防災環境研究センターの竹下伸一准教授は次のように指摘します。
(宮崎大学防災環境研究センター 竹下伸一准教授【農業気象学】)
「(今回の竜巻は)同時多発的竜巻だと思っています。被災されたお宅の場所を正確にプロットしていくと、1個と考えるにはどうしても無理があるんですね。私は最低2つは起きていたと思っています」
これは、竹下准教授が現地調査した結果をまとめた地図です。
被災した建物を赤い点で示していて、その点をつないだのが黄色い線です。
(宮崎大学防災環境研究センター 竹下伸一准教授【農業気象学】)
「(過去の竜巻で)迷走しているものは見受けられなくて、直進するというのが1つの特徴だなと思ったので、これを1つの線で一筆書きのように結ぶには無理がある」
また、現地調査できていないものの、宮崎市役所や小戸小学校、それに大橋地区でも突風被害の報告があがっていることから、城ケ崎地区を通った竜巻が川を超えてそちらへ向かったとも考えられるとみています。
竹下准教授は、1980年にも台風の接近に伴って宮崎市で短時間に4つの竜巻が発生した事例があるとして、同じ気象条件のもとでは、複数の竜巻に警戒が必要と訴えます。
(宮崎大学防災環境研究センター 竹下伸一准教授【農業気象学】)
「台風由来の竜巻の場合は、複数の積乱雲が順を追ってやってきます。それぞれの積乱雲のもとでは竜巻が起こる条件がありますので、1回竜巻が起こったからといってすぐにこれで安心だというわけではなくて、また、来るかもしれないという備えをしていただくのがいいと思います」
※MRTテレビ「Check!」9月4日(水)放送分から