国内最大級の地質・古生物博物館として2000年にオープンした、福井県の県立恐竜博物館がこの夏、装いも新たにリニューアルします。その目玉の一つが、恐竜の「ミイラ」の化石展示で、17日には福井市内で貴重な恐竜のミイラ化石の荷解き作業が行われました。

木箱で厳重に梱包された恐竜のミイラ化石



牛田和希アナリポート
「厳重に梱包されている箱の中に日本初公開となる恐竜の実物ミイラ化石が入っているということです。どんな恐竜なのでしょうか」

恐竜の化石は、縦およそ2メートル、横3メートル、高さ1.5メートルの木箱に収められていて、作業員によって慎重に蓋が開けられました。

牛田和希アナリポート
「その姿がはっきりと見えます。」

ブラキロフォサウルスの実物のミイラ化石

この化石は、後期白亜紀、今から7700万年前頃に北米に生息していた草食恐竜、「ブラキロフォサウルス」です。ブラキロフォサウルスは、口の先が幅広くなっているカモノハシ竜と呼ばれる恐竜の一種で、成体では体長11メートルになると言います。


2000年に発掘されたこの化石は体長7メートルほどで、最大の特徴が体の80%から90%に皮膚の痕跡が残る実物のミイラ化石ということです。ミイラ化したブラキロフォサウルスの化石としては、世界唯一です。また保存状態が良い化石として2004年にギネスブックにも登録されました。

牛田和希アナリポート
「右側が頭。左側がしっぽの部分。特に右足、ウロコの模様がはっきり分かる部分があります。皮膚痕が残っています。」

皮膚の痕跡が残るミイラ化石

福井県立恐竜博物館・柴田正輝主任研究員
「恐竜は骨しかなく柔らかい組織がないので、首のところの厚さとか太さとか分からないが、このミイラ化石には残っている。肩の筋肉も残っているので、骨からでは分からないデータが見られるため、正確な復元に役立つ」「生きている恐竜そのもののイメージがしやすい。きれいに保存されている皮膚のパターン(模様)を観察して欲しい」

県立恐竜博物館は、アメリカ・モンタナ州のグレートプレーンズ恐竜博物館からこの化石を10年間借用し、恐竜の生態についても研究することにしています。

このブラキロフォサウルスの実物ミイラ化石は、今年の夏にリニューアルオープンする県立恐竜博物館の目玉展示の一つで、博物館では、筋肉のつき方、皮膚の形状などから恐竜の生きていた姿を想像してほしいと話をしています。