県民の感じる期待と不安…どちらが大きいのか
富山国際大学が行った意識調査の結果です。
敦賀開業時の期待という問いに対しては、「観光客が増加する」「県外など遠くに行く機会が増える」「道路などのインフラ整備が進む」と答えた人が多く、期待感は大きいようです。
県民は
「不便になるのが心配。サンダーバードの乗り入れとか、名古屋・大阪へ行きにくくなると思う」
「北陸新幹線という名前がついていて、敦賀で止まってしまうのでは」
新幹線の延伸で関西や中京方面をつなぐ特急サンダーバードとしらさぎは、すべて敦賀止まりとなり、敦賀での乗り換えが新たに生じます。
福井県によりますと、例えば福井駅から大阪駅までの所要時間は、これまでのサンダーバード直通よりも15分短縮されますが、乗り換えでおよそ10分かかることになります。このため、「時間短縮効果」よりも「乗り換えの負担」が大きいと感じている人の割合が高いという結果が出ました。
敦賀駅では3階の新幹線ホームと1階にある在来線ホームとの間の移動が加わり、荷物が多い乗客は特に負担を強いられます。
鉄道・運輸機構では敦賀駅に多くの改札機を設けて混雑の回避など、負担の軽減を強調する一方、福井県は敦賀駅発着の特急と新幹線の運行本数の確保などをJR西日本に求めています。
一方、関西の奥座敷とも言われるあわら市の「芦原温泉」は、15軒の旅館が立ち並び、観光名所・東尋坊にも近く、特にカニの時期には予約が取れない人気の温泉地です。このエリアにも新幹線の停車駅ができます。
新たな客を取り込め!ホテルの戦略は…
新たな宿泊客の獲得へホテル側も準備を整えます。111室を備えるこちらの旅館では、新幹線開業を見据え、富裕層や海外からのインバウンド向けに、これまでの客室の一部を大幅に改装しました。
部屋は窓際の天井を低くすることで、外に広がる日本庭園と室内の連続性を強調した間取りにしています。
グランディア芳泉 山口由紀女将
「首都圏の客やこれからインバウンドの客も増えていく想定の中で、新しい日本の情緒を感じていただけるような、開放的な雰囲気の中でゆっくり過ごしていただけるような空間をつくりたいということでリニューアルした」
また、組合の女将の会ではコメを自ら栽培し、女性向けに芦原温泉限定の地酒を開発するなど、他との差別化も意識しています。
一方で、駅前の賑わい施設のオープンが今週末に迫りますが、飲食店の出店が間に合わないなど、受け入れへの課題は解消されていません。
福井での新幹線開業が地域への経済効果を生み出すことができるのか、もてなす側のさらなる魅力の磨き上げなど、残された時間は多くありません。











