砂浜を車で走ることができ、観光名所として人気が高い石川県の千里浜なぎさドライブウェイで、またも高波による浸食の被害です。宝達志水町のエリアでは海岸線へ入る進入路が陥没、近年は通行止めの日も増え、観光への影響が懸念されています。
記者「宝達志水町内から千里浜へ出入りするための道路ですが、ご覧の通り大きく陥没しクルマが通ることができなくなっています」

道路の陥没が確認されたのは、石川県宝達志水町出浜のなぎさドライブウェイへの進入路で、町によりますと、先月初めに職員が現地を訪れた際に、被害が確認されたということです。また、近くでは電柱も高波の影響で傾く被害が出ていて、8日、現地を訪れると復旧作業が行われていました。
宝達志水町地域整備課 杉谷克久課長「びっくりしましたね。ここまで壊れるって正直想像していなかったので」
宝達志水町内ではおととし2月にも、浸食による大きな被害を受けています。

羽咋市にまたがる全長およそ8キロのドライブコースには、多くの観光客が訪れますが、年々、高波による浸食が拡大していて、こうした状況は観光面にとっても死活問題です。

石川県河川課によりますと、千里浜なぎさドライブウェイの年間の通行止め日数は、2012年には133日に上りましたが、保全事業が本格化した翌年以降は、年間40日から60日程度に落ち着いていました。しかし、2020年から再び増加に転じ、去年は105日と、年間平均で換算すると週に2日、通行できない状況に陥っています。
宝達志水町地域整備課 杉谷克久課長「こういうことに次はならないように、そういったことも考えて設計に反映してできるだけ早く復旧したい」
宝達志水町では、復旧工事に向けた測量費用の予算が議会で可決されていて、夏の海水浴シーズンまでには復旧させたいとしています。
コロナ禍を乗り越え観光需要が戻りつつある中、影響を最小限に抑えたい。関係者の切実な思いです。
石川県河川課によりますと、千里浜の保全事業として波を弱めるため沖合に人口リーフを設置したり、陸上から砂を投入する「陸上養浜」を行ったり、さまざまな対策により徐々に効果が表れていると見ています。
しかし、自然が相手ということもあり被害は繰り返し発生しています。県は保全や管理を今後、国に移管することも視野に検討しています。