石川県は19日から降り続いた雪の影響で、奥能登で倒木によって停電や集落が孤立する被害が相次いでいます。解消に至っていない地域もあり、厳しい寒さの中、住民の不安が募ります。

北陸電力送配電によりますと、19日から奥能登を中心におよそ1万2300世帯が停電し、このうちおよそ1800世帯では20日午後9時半時点でも復旧していません。中には、厳しい寒さの中、19日の朝から停電が続いている地域もあります。輪島市や穴水町では、作業員が現場にたどり着くことができず、復旧は21日午後から夕方ごろになる見通しです。

50センチ近い積雪となった石川県穴水町小又では20日朝、信号機が消えたままで、停電の影響が続いていました。

滅灯した信号機=穴水町小又、20日午前8時ごろ

地区に住む男性は「夜中の1時ごろにはもう電気が来ていなかった。ストーブがあるので、お湯を沸かしてカップラーメンや餅を焼いて食べた。電気ないと本当に最悪」と話していました。

大雪で集落が孤立する被害も出ています。能登町柳田の金山地区は、倒れてきた木で道路が塞がれ、車での行き来ができなくなりました。

倒木でふさがれた道路=能登町柳田、20日午前10時ごろ

徒歩で通行した地区の区長は「(車が通れないと)買い出しもできないし、でかけることもできない。やっぱり孤立している。水のタンクを空にしたらまた大変になるからあんまり使わないようにしている」と話していました。

道路をふさいでいた倒木は20日午後、消防が伐採し、金山地区の孤立状態は解消されましたが、近くにある用水施設は停電でポンプが動かない状態が続いていて、能登町が節水を呼びかけています。

石川県によりますと、輪島市の町野町寺山や能登町笹川地区などでは、20日夕方時点で34世帯58人が孤立状態となっていて、倒木の撤去作業などが続けられています。

23日から24日ごろは再び強い冬型の気圧配置の影響で日本海側を中心に大荒れや大雪となるおそれがあり、気象庁が交通障害などに注意を呼びかけています。