「知られていない郷土の偉人」住民たちで顕彰を

河野の顕彰活動に携わった一人、大聖寺文化協会会長の伊林永幸さん。伊林さんは、活動の始まりをこう振り返ります。

大聖寺文化協会 伊林永幸会長「日本初のプロ野球チームの創設者なのにあまり知られていない、ということで、石碑を作れば関心を持ってくれるんじゃないか、という話になったのが始まりです。」

大聖寺文化協会・伊林永幸会長

伊林さん自身が河野の存在を初めて知ったのは、今から約50年も前のことでした 。当時、教員だった伊林さんは加賀市史の編纂に携わっており、その調査の過程で郷土の偉大な先人の名に行き当たったのです 。

日本初のプロ野球チームの創設者が、ほとんど知られていない。「これではいけない」。その思いが、長い時を経て顕彰活動へとつながっていきます。

こうして始まったプロジェクトは、まさに市民の熱意の結晶でした 。顕彰碑とモニュメントの制作費およそ200万円は、大聖寺文化協会の積立金を元にしながらも 、広く有志や市民からの寄付によって賄われました 。市からは公園の土地を借りるにとどめ、住民の手で作り上げました 。

河野安通志の顕彰碑とモニュメント(石川県加賀市)

顕彰碑ができたことで、「プロ野球の創設者は大聖寺の出身なんだという認識が非常に広まったと思います」と伊林さんはその手応えを語ります 。