師走に入り次第に寒さが増し、雪の便りも間もなく届こうとしています。冬の時期にコタツに入りながら冷たい「水ようかん」を食べる。そんな風習がある石川県輪島市では、市内の和菓子店で製造が最盛期を迎えています。

輪島市鳳至町にある御菓子司杉平では、11月中旬から水ようかんづくりが始まりました。50年以上、変わらぬ味を守り続けている店主の杉平淳一さん特製の水ようかんは、寒天や砂糖を溶かした銅鍋の中に、絶妙な配分の生あんと練りあんを入れて、かき混ぜながらゆっくりと煮込んでいきます。

約1時間かけて炊き上げた水ようかんを、今度は漆塗りの「オリ」と呼ばれる木枠や紙の箱に流し込み、1晩置いて固めると、みずみずしく口当たりの良い甘い水ようかんの完成です。

御菓子司杉平 杉平淳一さん
「冬の輪島の大事な味覚だから、味覚に変化がないように、お客さんにいつもと同じ味が提供できるように頑張っていきたい」

「輪島の冬は水ようかんに始まり水ようかんで終わる」と言われるほど、地元の人たちに愛される冬の名物。杉平さんの店では来年3月まで、水ようかんづくりが続きます。

18歳から水ようかんを作り始め現在75歳の杉平さんも、コタツに入って自分の作った水ようかんを食べるほど、水ようかんが好物という事で、健康に気を付けながらこれからも先代から受け継いだ味を守り続けて行きたいと話していました。